院長挨拶

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ご挨拶

―かかりつけ医機能の強化を目指して―

医療法人紀泉会 いしもとクリニック
理事長 石本喜和男

画像いしもとクリニックは2006年9月にJR阪和線の熊取駅前で開院し、以来18年余り地域の皆様と共に歩んで参りました。2024年3月に法人化を果し、医療法人紀泉会いしもとクリニックとなり、現在に至ります。

当初は消化器外科・内科の専門医として、胃・大腸の内視鏡検査による“がん”の早期発見や肛門疾患の診断・治療に力を注ぎ、肛門日帰り手術は1,600例に施行してNCD(外科系専門医制度の国家的データベース)にも参加してきましたが、その間医師会の中で活動範囲が広がるにつれ、自院での診療のみならず、病診連携・多職種や行政との連携など地域における“つながり”の重要性を強く認識するに至りました。

新型コロナ感染症対応をはじめ行政が主導する地域会議や医師会理事会への参加に始まり、特定健診、予防接種、がん検診、学校医、介護認定審査、看護学校の講義などの地域活動に積極的に関わり、今では消化器系の学会専門医の他に、新たに大阪府医師会認定かかりつけ医、大阪府認定認知症サポート医、日本医師会認定健康スポーツ医の資格認定を受けています。
その一方で、医療環境は高齢化の進展や情報通信技術(ICT, DX)の進歩など大きく変化したことで、地域の小規模医療機関は今後の社会構造の変化に適応すべく新たな方向性を定めて運営に努めてゆかねばなりません。当院が今進める取組みについて述べさせて頂きます。

1. かかりつけ医機能の強化

今、医療と関係する大きな社会課題は高齢化への対応です。皆様もご存じの通り、高齢者は加齢に伴ういくつかの疾患を併せ持つ場合が多いことです。お年寄りはかかりつけ医を持っていても、標榜診療科以外の相談には乗ってもらえず、やむなく自分で探して別に複数の医療機関へ受診する状況が起き、本来のかかりつけ医がかかりつけ医患者の統括機能を果せていない場合にしばしば遭遇します。
国はこの状況を是正すべく、地域の医療機関へ“かかりつけ医機能の強化とその報告制度”を求めてきました。例えば、患者様から専門以外の病気や症状などで相談を受けた場合に、かかりつけ医は最低限の相談や生活指導、そして簡単な処方までを担い、それ以上の診察が必要になれば専門医へ紹介するいわゆる一次対応の役割を果すべきとし、厚生労働省は具体的に保健診療で病名頻度が高い上位40の疾患名を公表しています。その中には、高血圧、腰痛、かぜ・上気道炎、うつ病、がん、白内障、難聴、便秘・下痢、糖尿病、骨折、心不全、喘息、貧血、外傷、皮膚疾患、認知症、更年期障害、頭痛など、内科系・外科系を問わず、あらゆる診療科領域に亘る日常的疾患が網羅されています。かかりつけ医が自らの標榜科以外の広い診療領域まで一次対応できるようになるためには、改めて研修を受けるなどして生涯に亘って学び直しの姿勢を持ち続ける必要があります。
当院は数年前から日本医師会の生涯教育システムに従う研修に積極的に参加してきたことで、かかりつけ医機能研修の修了認定を受け、患者様に当院の診療方針を理解して頂くために、上記40疾患の説明案内を小冊子にまとめて院内待合室に掲示していますが、今後はホームページにも掲載して地域へ発信してゆく予定です。

2.地域連携への積極的参加

かかりつけ医のもう一つの役割は、上述したように病診連携や多職種連携など地域での“つながり”です。当院は医師会活動や地域会議に積極的に参加してきましたが、国が具体的に求めるのは
1)時間外対応
2)入退院時の支援
3)在宅医療の提供
4)医療介護連携
5)特定健診、予防接種、学校医など行政事業への参加協力
の5項目です。

当院では、

1)時間外は午後10時までの電話対応に応じ、一部には24時間対応に応じています(地域包括加算と機能強化加算算定)。

2)入退院時支援では、当院はりんくう総合医療センター外科との間で消化器がん患者を対象に「連携パス」を用いて術前紹介時から術後5年間に亘る定期的な診療情報交換システムを構築しています(がん治療連携指導料算定)。心血管疾患の術後患者でも数名で定期的に情報交換が行われ、今後、他疾患へも拡大するのを期待しています。

3)在宅医療は、初診時から在宅に特化する診療は引受けていませんが、当院へ通院歴あるも体力の低下で通院が困難になった患者様に対しては、往診または送迎サービスで支援するとともに、必要に応じて訪問看護や介護と連携して最期まで診るスタンスです。

4)医療介護連携では、主治医意見書や訪問看護指示書を作成した上で、泉佐野泉南医師会が採用するICT連携システム(MCS)を利用し、当院と訪問看護師やケアマネージャーと患者様ごとに専用回線でつなぎ、週2回緊密に情報交換しながら診療を続けており、現在数名の患者様に採用中ですが、今後さらに発展させてゆくつもりです。

5)行政への協力事業では、特定健診・後期高齢者健診(年間約250名)、予防接種(コロナ、インフルエンザ年間1,500例、肺炎球菌、子宮頸がん、帯状疱疹など)が先ず挙げられます。大腸がん検診と胃がん内視鏡検診には専門医として医師会代表で組織の立上げ時から関与して、現在に至ります。都道府県に各医療機関のかかりつけ医機能報告制度が始まることで、今後、今後、行政との連携を更に重視して取組む覚悟です。

以上、過去18年の診療実績と医師会を中心とした地域活動の実績を基盤に、今後はさらにかかりつけ医機能の強化を図ることで地域へ貢献して参る所存ですので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

院長プロフィール

和歌山県出身
1975年 和歌山県立医科大学卒業、同大学の消化器外科教室に入局
1986年 “腸管内胆汁酸代謝に関する研究” で医学博士取得
2001年5月まで第2外科教室(消化器外科教室)で講師・助教授として在籍、主に大腸外科担当。
2001年7月 医療法人良秀会 藤井病院(岸和田市)院長
2006年9月 いしもとクリニック(熊取町)開院
2020年7月~2024年6月 一般社団法人 泉佐野泉南医師会会長
2024年3月 医療法人紀泉会 いしもとクリニック理事長(現在に至る)

施設認定または登録
1)日本大腸肛門病学会認定施設
2)National Clinical Database(NCD)参加施設
(約1000例の肛門手術を登録済)

現在の資格
1)日本外科学会認定外科専門医(1908607号)
2)日本消化器外科認定消化器外科専門医(3002884号)・指導医(796号)
3)日本消化器病学会認定消化器病専門医(00268号)
4)日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医・指導医(900560号)
5)日本大腸肛門病学会認定大腸肛門病専門医・指導医(0543S号)
6)日本抗加齢医学会認定専門医(認定番号 3148)
7)日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医(2752号)

指定医
1)大阪府医師会認定かかりつけ医
2)大阪府難病指定医(27S1499883)  
3)大阪府身体障害福祉法第15条第1項に規定する医師の指定
 (直腸肛門機能障害、小腸機能障害)
4)大阪府認知症サポート医
5)認知症チームケア推進研修修了(第4-6037号)
6)日本医師会認定健康スポーツ医


その他所属学会
1)日本臨床外科学会(特別会員)
2)日本内科学会
 
医師会活動」 
 一般社団法人 泉佐野泉南医師会(前会長)

    
その他活動
 熊取中学校学校医

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